第7回 Medipro(=Medical Profession)とは
MEDIAPEX インターネット進化論 1999年7月1日 第198号 ©︎鈴木吉彦 医学博士
代表的なIPによるインターネット上の仮想の街:Medipro
Mediproでは、日本を代表する情報提供会社(医学書出版社や製薬企業)や学会と提携し、信頼できる情報がひとつのホームページに集結しています。すでに書籍や雑誌で有名になっているベストセラーをインターネット版に改訂、再編成したものから、オリジナルで作成したものなど、さまざまな趣向を凝らした内容が、盛だくさんに集約されています。Mediproにある情報は、いずれも代表的な情報提供者(あるいは情報提供社、英語でinformation providerの意味でIPと略します)が提供する情報ばかりなので、受信者はあらかじめ安心して閲覧し、効率よく情報を得ることができます。
So-net(Medipro)とIPとの協力関係
So-netと情報提供会社、つまりIPとの関係は、例えれば、So-netが街を作り、その街にIPがビルを立てて営業する、という関係に例えられます。So-netは、各出版社の商業行為や情報提供活動をサポートし、街全体をまとめて宣伝するという活動をしています。IPが快く情報提供するために、So-netは街の環境(基盤、infrastructure)を整備し、ごみを掃除し、犯罪を防止する役割を果たします。(図参照)
例えば、インターネットの仮想空間では、人気がでてくるとアクセスが増え、回線が混雑します。そうしたトラフィックの管理はSo-netが行っているわけです。また、有料情報に対する課金システムの提供や、検索エンジンを初めとする各種プログラム(cgiやssiなど)の環境作りなども行っています。とくに、『Medical Profession』は、So-netのなかでも優れて安定したサーバ環境に置かれています。
MyMedipro事務局の役割
例えば、多くの情報提供会社が、独自の物理的空間をもって情報を提供しようとします。それは、書店で例えれば各出版社ごとの本棚があり、各社ごとの本が陳列されているようなものです。それでは利用者は混乱し、自分の目的の本を探し出すことはできません。
この問題を解決するには、多くの会社が提供する情報を誰かがカテゴリーごとに整理し、利用者が分かりやすく、かつ探しやすい形にし陳列しておく必要があります。またその整理の際に、どの情報が質が高くて多くの読者が必要としているか、どの情報は必要が低く利用度が少ないか―などの判断をしなくてはいけません。これがアンカーマンの仕事となるわけです。それを実行するべくMedipro事務局や、IPのインターネット制作担当者の方々には、多くの医療専門家がその判断を、アンカーマンとしての義務を果たしているわけです。
Mediproは、代表的な医療情報のポータルサイト
Mediproでは、良質の情報だけを集結させることを目的として、代表的な医療情報をもつ多くの会社と協力してきました。こうした街づくりを4年間かけてじっくり行ってきたことが評価され、So-netでも98年度の社長賞(グランプリ賞)を頂きました。最近では、1日2,000人の医療関係者が訪問し、1999年3月で1か月250万PageViewアクセスを有する巨大な人気ページとなってきました。ブラウザーのHOMEの設定を、Mediproに設定している方も増えてきたようです。
このように多くの利用者が、まず最初に訪れるホームページのことを、ポータルサイトと呼びます。Mediproは、日本の医療情報のポータルサイトと評価されることが増えてきたわけです。なお、ポータルとは、portal veinのポータルのことで、門、という意味です。
All in Oneコンセプトを実現する
ポータルサイトを訪問すれば、必要で役立つ情報が、ほとんど見つかるようになることが理想です。そうした需要を満たすためにも、Mediproには高品質の情報を、できるだけ効率よく集結させ整理して掲示できるように、So-netもIPの皆さんも、提携する製薬企業の皆さんも、みんな協力しています。こうした概念は、以前からインターネットの成功法のひとつと考えられ、All in Oneコンセプトなどと呼ばれています。