第2回 インターネットを利用するために
MEDIAPEX インターネット進化論 1999年4月15日 第193号 ©︎鈴木吉彦 医学博士
World Wide Web とは?
インターネットとは、ネット、すなわち網のようにはりめぐらされた情報網の世界を、つなぎあわせて、世界中の規模にした情報網のことです。ネットとは、すなわちコンピュータをつなぎ合わせた網のこと。これらの網の間をつなぎ合わせることで、世界中のコンピュータが蜘蛛の巣のようにつなぎ合わされます。これがインターネットです。この情報網により、個人のパソコンが、世界中のパソコンと連絡をとることができ、膨大な情報を収集することができます。こうした世界を結ぶ情報網の概念を、world wide web(略して、www.世界中に張り巡らされている蜘蛛の糸というイメージです)と表現します。
地方にいても、都会の大学と同じレベルで勉強できる
世界中、どこにいても、いつでも、どんな言語でも、簡単に情報が引き出せるという事は、 人類がこれまでに経験したことのない情報伝達のありかたです。この技術により自宅にいて誰でもが海外の様子を知ることができるようになりました。言い換えれば、わざわざ、海外にいく必要性が少なくなり、留学の重要性も少なくなったと言えるでしょう。むしろ、日本にいて研究しながら、情報だけは海外から入手する、というやり方のほうがスマートかもしれません。
また、日本の中のどんな辺鄙な町にいても、 世界レベルの研究ができるようにもなります。 地方の地域医療にたずさわっていて、都市の大学へいってなかなか勉強できない医療関係者の方も、インターネットを使えば、大学の研究者と同じレベルで文献を探したり、最新情報を入手し、論文をかけます。
インターネットの世界は急激な広がりを
インターネット人口の急激な増加により、world wide web上に置かれている情報量も膨大となってきています。膨大になりすぎた結果、かえって、簡単に引き出せそうな情報も、なかなか引き出せないという状況が生まれてきています。
すなわち、インターネット網の拡大は、必ずしも良いことばかりではなく、弊害も生まれています。また、膨大な情報の中には、大部分がどうでもいいような情報ばかり、あるいは、
うその情報も含まれているホームページもたくさん増えてくるようになりました。役立つことを書いているようなホームページも、よく読むと、商品の宣伝だったりします。あるいは、洗脳的な内容だったり、独善的な意見を人に押しつけるようなホームページだったりします。
そうした情報の洪水の中で、しかも、役立たない情報が山積みされている環境の中で、では、どうやったら良い情報、優れた情報、あるいは正しい情報を見つけ出せるのでしょうか?
この問題は、インターネットの世界が日々拡大していくなかで、ますます重要な課題になってきているのです。
信頼できる情報を引き出すために
情報というのは、誰かが発信しているわけです。その情報を受け取る側は、発信している人が信頼おける人かどうか、どの情報が正しいかどうか、判断しなくてはなりません。実は、その判断が、インターネット利用の上での最も大切なことです。
たとえば、新聞、雑誌、テレビは、その情報を発信する会社を信頼し、内容を信頼します。
こういうしっかりした会社からの情報であれば、うそを書いたりしないだろう、と判断し、読者は信頼して読むわけです。各情報提供会社においても、モラルをチェックする機能があったり、信頼性を保つために日々に努力しています。
しかし、インターネットでの情報発信は、個人レベルで簡単にできるため、自制的な精神を持ち合わせている人が発信しているとはかぎりません。
ですから、情報提供者が誰であるか、名前を伏せていたり、責任の所在を明らかにしていないホームページは、注意しましょう。リンクをはっているだけで、運営責任を明らかにしていないホームページは多くあります。情報発信者を明確にせず、他人の作ったコンテンツを、平気で引用したり、コピーしたりすることも、まれではありません。
そうしたホームページの中には、悪徳な意図で商品を販売したり、事実を曲げる目的や他人を中傷する目的で運営していたり、と悪意のあるホームページが多いからです。そうした悪意が少しでも感じられるホームページには、2度と訪問しないことが大事です。
情報の押し売りはシャットアウト ジャンクメールは無視する
広告代理店の中には、こちらが登録をしていないのに、勝手に、広告メールを送りつけてくる会社があります。こうしたメールはジャンクメールといいます。こうした情報の押し売りについても注意しましょう。ひどい時には、アダルト写真を送りつけられてくることもあります。もし、こういうジャンクメールを送りつけた広告代理店については、無視するどころか、出入り禁止にしてしまいましょう。メールは、あくまで、利用者がほしいという意志表示をして、その人だけに送るべきものだと思います。