第12回 One-To-Oneを構築する仕組み
MEDIAPEX インターネット進化論 1999年9月15日 第203号 ©︎鈴木吉彦 医学博士
どうやってOne-To-Oneを実現するのでしょうか?
One-To-Oneとは、情報提供側が読者に対し提供したい情報と、読者が情報提供者から得たいと考えている情報を、マッチさせる技術です。情報提供者にとって優先的に提示したい情報を、利用者にとっては必要な情報を選択し、やりとりができます。
まず、前提としてMy Mediproを訪問した医療関係者は、My Medipro会員となる必要があります。その際には必ずプロフィールを正しく登録します。My Mediproでは、そのプロフィール内容に合わせ、特殊な機能をもったサーバからルール設定にしたがって、利用者の画面上に情報を提示していきます。
プロフィールの設定は、利用者個人個人によって違うわけですから、My Mediproが表示する画面もひとりひとり異なる画面がでてきます。これにより個人個人が「わたしだけのホームページ」を持つような感覚で、情報を入手できるようになります(図1)。このことから、One-To-Oneシステムを採用するホームページの頭文字には、“My”がつくことが多いわけです。
医療関係者だけの限定空間でOne-To-Oneを構築するメリット
My Mediproは、医療関係者限定で利用できる空間を提供しています。この空間では患者に見られる事を心配せず、薬品情報などの情報提供も可能になります。医療関係者どうしの症例検討や談話室形式のような空間づくりも可能となります。
またMy MediproのOne-To-One機能を使えば、従来不可能だった、さまざまなシステムが実現可能となります。例えば、医学分野は専門性が高いですから、医療関係者の関心は専門分野に偏ります。ですから情報内容を専門分野別に整理して表示してもらえば読者に便利です。My Mediproでは、利用者が循環器関連の医師であれば、循環器に関係する情報、例えば循環器に関する文献資料、薬品情報などを優先的に見つけられます(図2)。
文献検索を利用の際、薬剤情報を絞って入手したい際は、とくにこの仕組みは便利に感じることでしょう。将来は、特定の専門科別や学会員などに限定した情報提供や連絡網の作成も可能にしたいと考えています。
また、地域別に情報を整理し、表示を変えることも可能です。各地域で行われる講演会や研究会の案内も、必要な人に向け表示します。例えば、北海道の研究会の案内は、北海道の利用者だけに表示されます。天気や求人求職情報も、その地域にあった情報だけを表示します。
医療関係者であることを識別するサービスコード
My Mediproでは、画面を呼び出すとき、必ず医療関係者かどうかをチェックできます。そのチェックは、「プロフィールの中に医療関係者であることの証拠が存在していれば画面を表示する」という仕組みを利用します。そして、その指標が「サービスコード」です。
My Mediproでは、初回の登録時にサービスコードというコードを入力すると、そのコード自体が、その人のプロフィールの一部となります。すると、次回訪問時に、正しいサービスコードを持っていれば、My Mediproの空間にすぐ入ることができます。サービスコードがない場合、間違っている場合には、My Medipro空間の利用は拒否されます。なお、サービスコードは1度入力すれば、プロフィールに登録され続けます。2回目の訪問からは、毎回、サービスコードを記入する必要はありません。