Medical Tribune 2000年4月6日 28ページ ©︎鈴木吉彦 医学博士
ウイルスに対する注意 “不明なファイルはすぐ捨てる”
突然、文書ファイルが印刷できなくなったり、コンピュータが普通でない行動をとる事があります。ウイルスの仕業です。ウイルスは、突然やってきますが、普通のテキストファイルの中には入り込めないので、電子メールで文字情報だけを読んでいる分には大丈夫です。
通常ウイルスが入りうるのは、バイナリファイルと呼ばれるデータを持つファイルです。あるいは、マクロと呼ばれる機能の中にも入れます。これらにはプログラムを書き込めますから、そのプログラムが勝手に起動し、動き回り、パソコンや使用中のプログラムの動きを阻害してしまう事があるわけです。時に、operation systemに入り込むと、ハードディスクを初期化しなければならないなど、大きなダメージを受けます。
医学関係者には、このような悪さをする人は少ないだろうという安心感からか、注意を払う人は少ないようです。
しかし、故意でウイルスを送る場合は少なく、むしろウイルス感染を知らずに送る場合の方が面倒を引き起こします。特に問題となるのはマクロウイルスです。電子メールの添付機能で、病院内のスタッフに一斉に、Excelファイルを送ったところ、その病院内の全てのコンピュータが感染し、機密ファイルが開かなくなる、という事態も起こりえます。病院の機能が一時麻痺してしまうでしょう。
悪さをするプログラムに注意
最近では、相手側のパソコンに入って遠隔的にそのパソコンを操作することも可能です。巧妙な手口で、相手側のパソコンから自分宛にメールを出して、その個人情報を盗むのです。個人を狙ったハッカーやストーカーという悪さも、簡単にできるのです。自分が触っていないのにパソコンが動き出し、大事なファイルが捨てられてしまうこともありえます。
インターネットは、役立つプログラムを入手できる反面悪さをするウィルスプログラムやハッカープログラムも入手してしまうという、いわば諸刃の剣のような性質があります。
ですから、利用者は、役立つプログラムだけを入手して、悪さをするプログラムはシャットアウトする必要があるわけです。そのためには、ウイルスチェッカーを入れることも大事です。基本は、知らない人から届いた添付ファイルは絶対に開かないことです。
開かずに思い切ってゴミ箱に捨てるのは、慣れないとなかなかできない行動ですが、爆弾が入っている郵便物を受け取ったと思って、すぐ捨てるべきです。