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プラスαのインターネット活用術10

Medical Tribune 2000年4月13日 38ページ ©︎医学博士 鈴木吉彦

リンクが抱える問題 “著作権が犯される”

インターネットにおける著作権は、基本的に印刷物や放送などの著作権と同様の保護を受けることができます。

 例えば、自分が作ったホームページにある内容は、そのホームページを製作した人のものです。著作権を主張するには、ホームページの画面下に「Copyright…」と記載します。

 ところが、インターネットの場合、あるホームページのあるページから、他人がつくったホームページのあるページまで、直接、リンクを貼る事が可能です。そうなると、自分が作った内容でないものでも、あたかも自分が作ったもののように見せたりすることが可能になります。特にフレームを使ったホームページの場合には、その可能性が高くなります。

 ですから、リンクされる可能性が高い人気のページを持っているホームページでは、必ずそのホームページのトップページ(つまり、最初に現れるページ)にリンクは許可するけれども、中のページに直接リンクを貼るのは断る、と宣言しているホームページもあります。あるいは、どのページにリンクが貼られてもよいように、各ページの画面下に必ず、copyrightの宣言をする1行を入れておくようにしているホームページもあります。

 好意のリンクと悪意のリンク

 他人が運営しているホームページにリンクするというのは、通常の社会で例えれば、紹介する、という行為と同義になるかもしれません。つまり、紹介という行為自体は、悪い行為だとは思えないわけです。

 ところが、紹介の仕方でも、色々あります。例えば、あのクリニックは良い診療をしているから、そのクリニックのホームページに紹介します、という形であれば、好意のリンクと呼べるでしょう。

 ところが、あの病院が提供している医療情報は良いので、自分がそれを作ったようにして紹介してしまう、というのは、悪意のリンクと呼ぶべきものです。特に、医療と関係のない企業が、リンク集だけを作ったような場合に、そういうケースが多いのです。全く関係のない主旨なのに、リンクを貼られてしまうということも迷惑です。例えば、医学の学会ホームページは、その学会会員のための情報提供を目的としています。患者さんには訪問して欲しくないことも多くあります。ですから、YahooやInfoseek、Gooなどの検索エンジンには、医学会などは意識的に登録していません。学会雑誌にだけその所在を明らかにしている。というケースもあります。

 そうした場合に、一般人がよく訪問するようなページに、その学会へのリンクが貼られていることは迷惑となります。そのリンクは、学会の活動を妨害していることになるかもしれません。ですから、学会はそうしたリンクを安易に許可してはいけません。

 Medical Professionのリンク  筆者が運営・監修しているホームページ「Medipo」(http://www.so-net.ne.jp/medipro/)では、時々リンクをさせて欲しいと依頼を受けます。でも、原則として、提携している会社としかリンクを貼らない方針にしているのです。むしろ、良いリンクしかリンクしない、という方針で運営してきたことが、ホームページの価値を高めたようで、各サイトから、リンクを貼られるようになってきたようです。そういうリンクが善意のリンクであることを祈っています。

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